HIFU(ウルトラセルQプラス)
HIFU(ウルトラセルQプラス)
超音波(エコー)は、医療機器としては腹部や心臓・血管、胎児の画像診断のためによく使用されますが、超音波の振動が組織に吸収されると、そのエネルギーが熱に変わります。ハイフ(HIFU;high intensity focused ultrasound、高密度焦点式超音波)とは、この超音波を一定の深さで焦点として収束させることによって、組織の加熱を行う技術のことを指します。当初は前立腺癌などの病変を熱凝固させるための治療機器として開発されましたが、その後、顔面を中心とした皮下脂肪を熱変性させることによって「引き締める」ための機器が開発されるようになりました。
ウルトラセルQプラスは、HIFUの技術で真皮や皮下脂肪の層に熱エネルギーを加えることで、コラーゲンの増生を促したり、脂肪変性によってリフトアップさせたりする「たるみ」治療器です(韓国KFDA認可、日本未認可)。
HIFUの治療は一般的に痛みが強いとされますが、本機は比較的痛みが少なく、ダウンタイムもほとんどないことが特徴です。治療時間は顔全体で約10~20分と短時間でシワやたるみの改善が期待できます。治療後2か月程度の間にコラーゲン増生、脂肪変性と組織の再構築が起こり、効果持続期間はは半年~1年程度とされています。
ウルトラセルQプラスには、「ドット」と「リニア」の2つのタイプの照射方式があります。
ドットタイプは組織の引き締め効果、リニアタイプは組織の減量効果があります。
ドットタイプのカートリッジを使用した場合には、ドット(点)状に超音波がフォーカスされ、その部に最高65℃の熱が加わることにより、組織の熱変性が起こり引き締まることとなります。深度1.5㎜、3.0㎜、4.5㎜と照射する深さが異なる3つのカートリッジを用いて各層に作用します。
真皮(皮膚の弾性のもととなる層)のタイトニング効果があり、小じわ改善、毛穴開大の改善効果があります。治療直後より効果を実感できることが多く、またその後1~2か月の間にコラーゲン増生が促されることにより皮膚の弾性が向上します。
真皮深層のコラーゲン増生を促すことによる肌の引き締め効果とともに、脂肪変性によるリフトアップ効果が期待できます。
顔面の表情を動かす筋肉群(表情筋と呼ばれます)には眼輪筋、口輪筋、頬骨筋など複数の細かい筋肉がありますが、これらが連結して膜状の組織を形成しています。さらに頭部では帽状腱膜へと移行し、頸部では広頸筋という膜状の筋肉へ連なっており、この層を全体としてSMAS(superficial musculoaponeurotic system)と呼びます。フェイスリフト手術などではこのSMASを引き上げることによってリフトアップ効果が得られますが、4.5mmドットタイプのHIFUではSMASの表層へ熱を加えることによって、たるみを改善する治療を行います。
治療後の即時効果も期待できますが、その後の真皮コラーゲン増生、皮下組織のリモデリングによって、1~2か月程度の期間に効果が発現します。
リニアタイプの照射では、リニア(線)状に最高58℃の熱が加わることとなり、組織のサイズダウンを行うことを目的に治療します。
当院では深さ4.5mmのリニアタイプカートリッジを採用しており、主に顔面下半部~顎下部に存在する皮下脂肪組織のサイズを減量し、輪郭のたるみや二重顎を改善するために治療します。
リニアタイプの治療は、2週間ごとに合計3回行うことが推奨されています。
1
診察
医師による診察を行います。HIFU治療が適切かどうかについて判断し、治療方法や可能性のある合併症等について説明します。
2
カウンセリング
治療の流れや治療費用などについてくわしく説明いたします。
その他、お悩みや心配なことがある場合にはご相談ください。
予約の際にあらかじめ当日の治療時間を確保している場合には当日の治療が可能ですが、治療時間が確保できない場合や、他の治療方法が適当と判断された場合には、後日の治療予約を取得していただく場合があります。
3
写真撮影
病変部位の状態を記録するための写真撮影を行います。
4
HIFU治療
ジェルを塗布し、照射します。
5
アフターケア
ジェルを拭き取ります。顔の場合は洗顔します。施術後すぐにメイクをしてお帰りいただけます。
軽度の発赤が半日程度続くことがあります。
まれに発赤が強く出て腫れが数日間続く場合があります。他に状態の変化や心配な事項等があれば何でもご連絡ください。
治療時間 | 10〜20分 |
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持続時間 | 半年〜1年(個人差があります) |
痛み | ほとんどありません |
メイク | 直接より出来ます |
入浴 | 当日から可能 |
治療後の通院 | 可能な限り1~2か月後に可能であればご来院ください |
1回の治療でも大部分の方が効果を実感されます。治療効果は半年~1年程度とされていますが、その後に全く元通りに戻ってしまうということはありません。 ドットタイプの場合には、半年に1回程度の治療を受けることをお勧めしています。 リニアタイプの場合には2週間後とに3回の治療を行うことが推奨されています。
熱感を感じることがあります。また、骨に近い部分は痛みを感じることがあります。 痛みを強く感じる場合には治療中に申し出てください。 少し感じる程度の照射が効果的とされていますので、照射する強さを調整しながら行っていきます。また、口腔内に金属(銀歯や金歯、インプラントなど)を入れている方は、その部分だけ響くような痛みが出ることがあります。原則、麻酔を必要としませんが、ご心配な方は医師もしくはスタッフまでご相談ください。
ほとんどの施術は同時にできますが、相談が必要なものもありますのでカウンセリング時にお申し出ください。
可能です。ただし日焼け直後(熱感やヒリヒリしている状態、皮がむけている状態)は避けて、落ち着いてからの治療を受けるようにしてください。
以下の方は受けることが出来ません。
治療後に肌が重たい感じが出ることがありますが、ほとんどの方は自然に翌日には改善します。照射部位が赤くなったり、熱感が残る場合にはアイスパックなどで冷やしてください。治療当日はアルコールや激しい運動は控えてください。その他、気になる点がありましたらいつでもクリニックまでご相談ください。
生じ得る合併症として、熱傷、神経麻痺、炎症後色素沈着、毛包炎などが挙げられます。解剖学的に安全な部位を安全な深さ・強度で治療するようにしていますが、お困りのことがあればご連絡ください。