ジュベルック注射
ジュベルック注射
真皮層の線維芽細胞を刺激してコラーゲン等の細胞外マトリックスの産生を促し、皮膚に厚みを持たせて張りを改善する治療をスキンブースター治療と呼びます。ジュベルック注射は代表的なスキンブースター治療であり、ポリ乳酸(PDLLA;poly-D,L-lactic acid)を主成分とし、これを非架橋ヒアルロン酸を組み合わせた注入剤です。ジュベルックを真皮へ注入することにより、線維芽細胞によるコラーゲン産生が促進されます。
スキンブースターに用いられる成分にはPDLLAのほかにPLLA、PLA、PDOなどがあります。その中でPDLLAによるコラーゲン産生効果は中等度ですが、ジュベルックのPDLLA粒子は周囲への過度な刺激が抑えられており、肉芽腫や硬結(しこり)を生じにくく安全性が高いと判断され、韓国MFDA、米国FDAの承認を得ています。
ジュベルック注射とヒアルロン酸注射はどちらも皮膚の張りを持たせるために注入されるものであり、どのような違いがあるのかが分かりにくいかもしれません。
ヒアルロン酸は、分子の大きさや製剤の硬さの違いによっていくつかの種類がありますが、いずれも注入されたヒアルロン酸自体のボリュームにより組織の体積が増加して効果を発揮します。例としては、鼻唇溝(法令線)を目立たなくさせる目的で頬部の深い層へ注入し、頬全体を持ち上げることによりシワを目立たなくさせることができます。あるいは、眼の下の窪みによってクマができている場合には、その窪みの部位へヒアルロン酸を注入して持ち上げることによって凹凸を改善させることができます。このように、組織のボリュームを補填することによって凹凸やシワを解消する治療が主なものですが、柔らかいヒアルロン酸を真皮へ注入して皮膚の厚みを持たせて小じわを改善する方法もあります。ヒアルロン酸注入後は基本的にそのままの状態で形態が維持され、数か月~1年程度の経過で徐々に分解・吸収されていきます。
一方のジュベルックの作用はスキンブースターであり、注入した液体自体のボリュームではなく、その後に線維芽細胞からのコラーゲン産生を促すことによって主に真皮の厚みを増加させるものです。注入直後は液体のボリュームによって膨らみができますが、それは間もなく吸収され、以後1~2か月の経過で効果が発揮されます。ジュベルックの効果は1~2年程度持続します。
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診察
医師による診察を行います。ジュベルック注射が適切かどうかについて判断し、治療方法や可能性のある合併症等について説明します。
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カウンセリング
治療の流れや治療費用などについてくわしく説明致します。
その他、お悩みや心配なことがある場合にはご相談ください。
予約の際にあらかじめ当日の治療時間を確保している場合には当日の治療が可能ですが、治療時間が確保できない場合や、他の治療方法が適当と判断された場合には、後日の治療予約を取得していただく場合があります。
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写真撮影
病変部位の状態を記録するための写真撮影を行います。
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ジュベルック注射
清拭を行い、ジュベルックを注射します。
水光注射の場合には、塗布麻酔を行った後に注射します。
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アフターケア
患部を清拭します。
注射部位以外はメイクをしてお帰りいただけます。
当日からシャワー洗浄は可能ですが、熱い浴槽やサウナ、激しい運動は2~3日控えるようにしてください。
発赤が2~3日程度続くことがあります。
発赤がなかなか改善しない、腫脹が強いなどの変化や心配な事項があれば何でもお気軽にご連絡ください。