肝斑トーニング
肝斑トーニング
肝斑に対して通常のシミに対するレーザー治療やフォトフェイシャルによる治療を行うと、いったん色調が改善した後に再発したり、治療前よりも増悪したりすることが知られています。したがって、肝斑に対するレーザー治療は原則禁忌(やってはいけないこと)とされていましたが、2000年頃より低フルエンスのQスイッチNd:YAGレーザーによって、組織の炎症を最小限にしつつ色素の破壊を行うと、肝斑が改善することが知られるようになりました。特に、表皮より深部の真皮層に色素が存在する場合には、ハイドロキノンの外用やケミカルピーリングなどは無効であることが多く、低フルエンスのレーザー治療が有効と考えられるようになりました。そのような治療は「肝斑トーニング」と呼ばれます。
当院で使用するLUTRONIC社のNd:YAGレーザー、「スペクトラ」は世界中で販売され高い評価を得ている治療機です。照射範囲内のエネルギー分布が均一であること、短いパルス幅での照射が可能なことから、副反応を抑えつつキレの良い治療が可能です。レーザー照射により表皮および真皮内のメラノサイトが選択的に破壊され、かつ周囲の炎症反応を最小限に抑えるため、治療後の炎症後色素沈着(PIH)が起こりにくいという利点があります。施術を約1か月ごとに繰り返し行うことにより、徐々に肝斑が淡くなっていきます。従来の外用剤や内服薬による単独の治療と併用することで、より早い時期に確実な効果を得ることができます。痂皮ができることはほぼなく、絆創膏等も不要であるため、ダウンタイムがなく術後の日常生活に支障が出ない利点もあります。
肝斑の治療には内服治療(トラネキサム酸、ビタミンC)やハイドロキノンの外用、ケミカルピーリングなどがありますが、肝斑トーニングによって組織のメラニン色素を積極的に破壊することにより、治療期間の短縮が期待できます。とは言え、1回の治療で全て解決することはなく、複数回の治療が必要となります。
痛みは弱いので麻酔は不要です。10分程度で治療が終わり、治療後の冷却や安静も不要です。
治療後は痛みがなく、照射後にガーゼ・絆創膏も必要ありません。直後は若干の赤みが生じることがありますが、1~2時間程度で落ち着きます。
炎症が起こりにくい低フルエンスのQスイッチNd:YAGレーザー治療を行います。肝斑の治療期間を短縮したい方に適した治療です。短い治療時間で、かつダウンタイムはほぼありません。
肝斑が増悪することはまずないと考えられますが、高出力での照射や重ね打ちをすることによってメラニンの色が抜けすぎて「白斑」が生じる副作用が報告されています。当院では無理に過度な照射は行わず、適切な出力で徐々に改善させることを目指します。
準備中です。
1
診察
医師による診察を行います。既往歴や家族歴の確認、シミが生じた時期や経緯について問診を行います。シミや肝斑の状態を診察し、どのような治療が適しているかについて説明・相談して治療計画を立てます。
2
カウンセリング
肝斑トーニングの照射範囲や治療回数について相談し、治療費用について説明します。その他、お悩みやご相談があればお答えします。予約の際にあらかじめ当日の治療時間を確保している場合には当日の治療が可能ですが、治療時間が確保できない場合や、他の治療方法が適当と判断された場合には、後日の治療予約を取得していただく場合があります。
3
写真撮影
病変部位の状態を記録するための写真撮影を行います。
4
肝斑トーニングによる治療
実際にレーザー照射を行い治療します。所要時間は10分程度です。パックや絆創膏の貼付などは行いません。
5
自宅での注意点についてのご説明
洗顔やお化粧は当日より可能ですが、刺激の強い化粧品等の使用は控えてください。紫外線対策を継続してください。次回治療のご予定がある場合には予約を取得してください。後日、電話やWEB経由で予約していただくことも可能です。
6
経過観察
2~4週間後に経過観察のためにご来院ください。予約期日の前であっても、ご不明な点や心配なことがありましたらご連絡ください。
部位によってはじかれるような軽い痛みがありますが、麻酔が必要な強い痛みはありません。
5回~10回程度の回数が必要となります。回数を重ねるごとに徐々に改善していきます。
直後は赤みが出ることがありますが、1~2時間で改善します。出血や腫れが出ることはありません。ダウンタイムはほぼないと言えます。
洗顔やお化粧は当日から可能です。長時間の入浴、サウナ、激しい運動は当日は避けてください。刺激の強い化粧品等は避けてください。紫外線対策を継続してください。
肝斑トーニングだけでも改善は期待できますが、数か月の時間は必要です。また、内服治療や一般的な肌のケアと組み合わせることにより改善効果が高まります。