プラセンタ
プラセンタ
プラセンタplacentaは「胎盤」を指す英単語です。
哺乳類の胎児は子宮内で胎盤を経由した臍(ヘソ)の緒からの血流で栄養されています。出産と同時に胎盤は排出され、臍の緒を切断することで胎児から切り離され、通常は医療用廃棄物として廃棄されてしまいます。しかし、この胎盤の組織内に成長因子をはじめとする種々の生理活性物質が含まれていることが分かっており、これを薬剤として使用するために精製したものが医療用のプラセンタです。
本邦で使用されるプラセンタ製剤としては、「メルスモン(メルスモン製薬株式会社、1956年10月販売開始)」と「ラエンネック(日本生物製剤株式会社、1974年7月販売開始)」があります。
メルスモンは保険診療では更年期障害、乳汁分泌不全に対して、ラエンネックは慢性肝疾患における肝機能の改善のために使用されますが、それ以外にも疲労回復や創傷治癒促進(きずの治りを促す)の作用があることが動物実験等から示唆されており、自費診療で広く注射薬として用いられています。その他、加齢に伴うホルモンバランス異常の改善、自律神経失調の改善、皮膚の抗炎症作用、老化予防などの作用があることが推測されています。
ただし、プラセンタはヒト胎盤由来成分として多種の微量成分を含んでおり、特定の物質を有効成分として示しているわけではないので、その作用機序(どのようなメカニズムで効果を発揮するか)の詳細は不明です。
プラセンタには、女性ホルモンをはじめとするホルモンバランスの異常を改善する働きがあります。
生理痛でお悩みの方や、生理の前後にニキビが悪化する方、更年期障害の方に効果的です。
プラセンタには老化や様々な病気の原因として知られている「活性酸素」の働きを阻害する働きがあります。
自律神経失調の改善、血管新生作用などと関連して、末梢循環を改善する作用があると考えられています。血行改善作用により、肩こり、腰痛、冷え性が軽減します。
プラセンタには疲れにくくなる、疲労から早く回復できるといった作用があることが動物実験で報告されています。
プラセンタには免疫機能を調整する作用があり、アレルギー体質(花粉症、アトピー性皮膚炎など)の体質改善が期待できます。
プラセンタには免疫機能を調整する働きがあると考えられています。
※プラセンタ製品のメルスモン(メルスモン製薬)は乳汁分泌不全・更年期障害に対して、ラエンネック(日本生物製剤)は慢性肝疾患における肝機能の改善に対して国内で保険適用が承認されていますが、美容目的での使用に関しての効果は承認されておりません。
注射部位の痛み、腫れ、発赤、硬結と蕁麻疹などです。
通常は1~2日ほどで自然とおさまります。
他の薬剤と同様に、本剤に対するアレルギー反応が出る可能性があります。
プラセンタ注射薬はヒト胎盤を原料として作られます。胎盤は日本国内の健康な女性から提供されるものを使用し、ウイルスや細菌の混入を防ぐべく感染症のチェックがおこなわれます。さらに製薬過程においてもウイルス不活化処理として、121℃の高温で20分間滅菌処理し、危険性を徹底的に排除しています。さらに、最終製品についてもB型・C型肝炎、HIVに加え成人T細胞白血病及びリンゴ病のウイルス検査を実施してウイルスが陰性であることを確認しております。
しかし、拡散増幅検査(NAT)の検出感度以下のウイルスが混在する可能性は否定できません。また、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等の伝播のリスクを理論的に完全には否定することはできません。
そのため、プラセンタ注射を受けた方は今後献血をすることができなくなります。
※プラセンタ注射の発売開始以来(メルスモン:昭和31年発売開始、ラエンネック:昭和49年発売開始)、メルスモンまたはラエンネック投与によるB型肝炎、C型肝炎、エイズ、vCJDなどの感染症発生の報告はありません。
キュラセンは特に美容医療において美白などの効果を発揮します。高分子の関連製品ラエンネック(細胞再生効果など)と比べ分子量が小さく、皮膚からの浸透性と即効性が期待でき、抗酸化力作用があるとされます。
プラセンタエキスには、細胞代謝に必要なビタミン類や微量元素をはじめ、アミノ酸、酵素、核酸、糖類などの栄養素が豊富に含まれています。