ピアス
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医療機関で行うピアス穿孔(穴あけ、ピアッシング)は、滅菌された専用の器具を使用し清潔な環境で行います。個人でピアス穿孔の行為を行うと不適切な環境や操作により、出血や化膿などのトラブルを引き起こすことがありますので、専門の医療機関で行うことをお勧めします。当院でのピアス穿孔は、医療用ファーストピアスを当院でお選びいただき、清潔な環境下で滅菌された専用の器具を用いて行います。
医療用ファーストピアスは金属アレルギーの起こりにくい材質のものを使用しています。
ピアッシング自体は専用のピアッサーを用いてごく短時間で終了します。
ピアッシングと同時にピアスがセットのピアスキャッチに挿入されて装着が完了し、出血はほとんどありません。
ピアス穿孔後はピアスシャフトに沿って、皮膚がない部分(raw surface、きずとなった部分)が生じます。ピアスが挿入されていない状態であれば、数日のうちに創傷治癒の反応が進み、通路が収縮して互いに癒合して穴が閉鎖します。ピアスが挿入されていると、創縁同士の癒合がピアスによって妨げられることによって、皮膚辺縁がピアスに沿って奥へと進展して行きます。2~3週間経過すると、穴に沿って進展した皮膚同士が前後でつながり、上皮化が完了することになります。
ピアス穴の上皮化が完了する前にファーストピアスを抜いてしまうと、再度挿入しにくくなり、やがて穴は癒合して閉鎖することとなります。また、一度上皮化が完了しても、穴の上皮は真皮を欠いているため脆弱であり、しばらくピアスを入れていないと自然に閉鎖することがあります。
耳介・耳垂の各部位にピアッシングすることが可能です。上の図のような部位が一般的ですが、それ以外の部位をご希望の場合にはご相談ください。
耳介の手術治療等に多くの経験を持つ形成外科医が対応しますが、耳垂のピアスについては医師の指導のもと看護師が対応することがあります。
また以前開けたピアス孔がさけてしまった等のトラブルにも対応することが可能ですのでご相談ください。
ファーストピアスを挿入後1か月以内に抜去してしまうと、その後再度挿入しにくくなったり、穴が塞がってしまったりしますので、極力1か月は抜かないように管理してください。シャワーや入浴は当日から可能ですが、皮脂などの汚れがピアス周囲に溜まらないよう清潔にしてください。1日1回程度、ピアスの固着を防ぐために少しピアスを回転させて、アルコールを浸した綿棒等で消毒を行い、お渡しする軟膏を塗布してください。
細菌感染を起こす可能性があります。痛みが続く、赤く腫れている、滲出液が出てくる、などの状態が続く場合にはご相談ください。状態によっては感染が落ち着くまでいったんピアスを抜去して治す必要がある可能性があります。その場合には、再度ピアッシングが必要になることがあります。
ニキビ痕がしこりになっていたり、予防接種後に腫れたきずあとが残っているなどの「ケロイド体質」がある場合には、ピアス穿孔後にピアスケロイドが生じる可能性があります。通常は1~2か月経過してから徐々にしこりを触れるようになり、類円形の硬いしこりが形成されます。その場合にはピアスの使用を中断し、手術などケロイドに対する治療が必要となることがあります。
ケロイド体質には遺伝的要素があると言われています。ご自身やご家族にケロイド体質があることが疑われる場合には事前に申告するようにしてください。
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